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『ゆきゆきて、神軍』

子供と一緒に布団に入って朝寝坊。
お皿を洗ってくれるコビトに頭の上がらない鳩です。


秋の夜長のDVD鑑賞

ドキュメンタリーが好きです。
あまり詳しくはないのですが、そんな私でも知っている有名作品を鑑賞。

1987年公開、原一男監督の『ゆきゆきて、神軍


いろいろとめちゃくちゃ

話の軸は、被写体の奥崎謙三が、かつて自らが所属した部隊で起こった部下射殺事件の真相を追及することで進みます。
この奥崎氏、撮影の時点で傷害致死罪や暴行罪などで服役10年超。前科者です。

そして、事件に関与されたと思われる生き残りの隊員たちを訪ねマイカーで全国を回るんですけど、まずマイカーが凄い(笑)
いや笑っちゃいけないんでしょうけど、そうか当時こういうのが街中を走ってたのかとなんか感慨深いっていうか、時代だなっていうか、これはもう観てもらうしかないんですけど。まぁ警察も事情を聴かざるを得ないレベル。

で、まぁ元隊員宅に押しかけるワケですが、適当にあしわられます。
そしたら態度が悪いと殴りかかる(笑)、そして取り押さえられる(笑)
その後も、亡くなった隊員の家族と共に関係者を訪ね歩くんですが、この家族もキャラが立ってる(笑)
いやほんとみんな真面目なので笑うとか失礼なんですけど、どうしても、うん。

さらに口を割らない元隊員に対し、はっきり言わないなら暴力振るいますよ宣言。
そしてその場に自分を監視している警察官を呼び込み談笑。
元衛生兵の口から明かされる生々しい真実。
大胆不敵な偽装工作。(これも笑っちゃうんですけど)
このあたりまで怒涛の展開。

そして最後に訪れた元隊員宅。
一人で歩くこともままならないような病人に、ある一言がきっかけで殴りかかる(笑)
当然「警察呼びますよ!」ってなるんですけど、もう自分で電話して呼んじゃう(笑)
それでやってきた警察官に「何しに来たんだ」とか言っちゃう(笑)
終始こんな感じです、ほんとに。
真面目な話なんですけど、笑えて仕方ない。


すぐそこにある戦争

被写体の奥崎氏、本当にめちゃくちゃなんですけど、でもたまに、そんなおかしいこと言ってないよなぁと思わされてしまう。
善と悪が交じり合って、倒錯します。

そして、戦争を語る人の年齢が、より身近に戦争を感じさせます。
私は、戦争の話と言えば祖父母から聞かされた世代。学生時代の修学旅行などでも、それはおじいさん・おばあさんから聞く類のものでした。
でも撮影は1982年から1983年、今から30年ほど前。生々しい戦争を語る世代は若ければ60歳前後の方々、今の自分の親世代ですね。
賑やかな街で普通に仕事をして子や孫と日常を暮らしている、その口から語られる生々しい戦争。
今よりもずっと身近に、手を伸ばせば触れられる距離に、戦争があったんだなぁと、その重みを感じます。

奥崎氏のやり方も、彼と対峙する元隊員たちの気持ちも、どちらが正しいとも思えないのは、私が戦争を知らないからで、戦争というものは結局そういうものなんだということなのかもしれません。
この奥崎氏には映画のラストでも唖然とさせられるのですが、救いのないその結末が、とっても寂しい秋の夜長なのでした。
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